インドネシアに寺小屋、富山大生ら計画中

 

写真:写真説明

 

開校予定地を地図で確認する学生ら

 富山大の学生らが中心となって、インドネシアに「寺子屋」を開設する計画を進めている。学校に通う機会がなかったり、満足に授業を受けられない現地の小中学生に無料で学習の場を提供するのが目的。学生たちは現地での校舎建設や授業内容の検討にも携わり、2007年秋の開校を目指す。学生たちは「一般の人にも関心を持ってもらい、寺子屋を一緒に作り上げたい」と、一般からの参加者も呼びかけている。

 「寺子屋」構想を進めている中心メンバーは、同大人間発達科学部の学生でインドネシアでの教育支援を行っているNGO「インドネシア教育振興会」代表の窪木靖信さんや、教育学部4年太田昌宏さん(22)ら。

 NGOの共同代表で現地で働いているインドネシア人のファディラ・ハシムさん(36)から9月ごろ、「子どもたちが無料で教育を受けることのできる施設が必要では」と提案を受け、実現に向けてのプロジェクトが始まった。UNESCOが展開している「世界寺子屋運動」への参加も視野に入れているという。

 「寺子屋」の建設予定地は、ジャワ島のイスラム系住民が多く住むジャカルタ郊外。同地域は貧困で、学校に通えなかったり、通えても家の農業などを手伝うため午後になると家に帰るといった子どもたちが多く、適切な教育が施されず識字率も低いという。

 寺子屋プロジェクトでは学生たちが「一から自分たちで作り運営する」。土地の購入や建設は寄付やNGOの運営資金などでまかない、授業内容も、現地の学校を基本に、理数系を充実させた独自のカリキュラムを設定する。教師は、ハシムさんや、ハシムさんの同僚、現地の大学生らがボランティアで務める。

 開設後、学生らは、寺子屋での成果を論文にまとめたり、県内の小中学校へ出前授業して現地の子どもたちの様子を紹介したりして、教育学の研究にも役立てていく。

 「お金を出すだけでなく、開設に至る道やその後の運営に関わっていくことで、本当に必要な支援のあり方が見えてくるのでは」と窪木さんは話す。

 現在プロジェクトを進めるための現地調査を兼ねた旅行を計画中。調査のほか、現地の小学校へ絵本を寄贈したり、現地NGOとの交流なども予定しており、関心のある人の参加を受け付けている。期間は来年2月23日〜3月4日。締め切りは11月30日。定員になり次第打ち切る。問い合わせは窪木さん((電)090・3764・0583)へ。

20061121  読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/toyama/news001.htm